フィリップ・ルクレール2010/01/05 22:02

  正月は風邪であまり印象にない年となったが、このフィリップ・ルクレールの1999年のプルミエクリュだけが華やかに頭に残った。ちょっと飲み頃を過ぎているように思えたのは、まだ修行が足りないせいか。フレッシュな感じがなく、それでいて重厚な古酒というのでもない。折角のジュベレイ・シャンベルタン、もっとはっきりしたものであって欲しかった。
 千葉の酒、五人娘もなにやら自然酒ということで、美味かったがこれはこれでちょっと変わった味わい。この2本を元旦に飲んだせいで、2日から風邪が体に入り込み、今日まで具合が悪い。

現代のヴォーカル2010/01/11 20:16

 3連休は、風邪でやめているアルコールも肝臓から一掃されて、健全な肉体と精神で、歌を聞いていた。
Landslide / Ann Hampton Callaway (2008)
 スティーブン・ニックスの作ったこの歌。ジャズではないけれど、どこか気になっていた。ステイシー・ケントも"Breakfast on the Morning Tram"で歌っていたから、そろそろスタンダードと言ってもいい。
 なんでよく聞こえたのだろう。ミュージカル仕立ての生い立ちが、力強い歌の力を見せつける。
Landslide / Stacey Kent(2007)
 声の質は違うが、こちらも聞いてみる。「愛が地すべりのように終わる」という歌が、起伏のないメロディで淡々と歌われる。オリジナルも買ってみて聞き比べたが、さほど感動もなかった。今となっては、何故、これに目が行ったのだろうと不思議だ。所詮、ラブソングか。
 2曲続けて聞くところに良さがあるが、ステイシーにはずーっと聞いていたいという魅力的な声もある。
Slow Like Honey / Jane Mohheit (2008)
Fiona Appleが作ったこの曲もオリジナルを買ってしまうぐらいいいなぁと思った歌。これもジャズではない。昔のティンパンアレーの作曲家たちとはちょっと違う現代の作り手たち。調子よく歌うことは出来ないが、何かがある。もっともこれは90年代に作られたものだから、新しいとは言えないが。
 このジェエーンさん。これは上手い歌手だ。楷書の歌。ヴォイスコントロールもばっちり。憎いまでの歌い方で、一度お目にかかりたいと思ってしまう。もしくはライブ映像。そういえば、レインボウルームでのDVDは見ているが、これがまたいいから、実力は証明は出来ている。
Walk On By / Diane Klall (2008)
 ここまで白人の若い歌手を並べる必要もなかったが、これも気持ちのいい歌と歌手。ジャズらしくなく、ボサノバとスタンダードのオンパレードで仲間内の評判はよろしくないが、私は好きだ。こんな風に優しく歌えるなんて・・・。
 現代を代表する4人の歌手が、休みの最後の夜を静かに飾る。風邪で大変だった2010年の初めての連休。ほとんどお金も使わず、ジーっとしていた思い出の年ということになるだろうか。

Cedar Walton2010/01/16 21:54

  1994年録音のシダー・ウォルトントリオ(スゥイート・ベイジル・トリオ)を聞く。この前、村上春樹がこのピアニストのことを持ち上げた文章を読んだので、少し気になっていた。確かに上手いピアニストではあるが、強い個性がないように思えている。それをきちんと聞くと見えてくるものが、あるのか、ないのか?
 この1枚を聞いてかなりいい演奏であることは分かった。しかも、これは廃盤になっているではないか。中古屋の片隅に置いてあったが、私の手元に入ることになり、とても満足している。彼の日本録音もかなりあるが、あまり騒がれたことがない地味な人。"Never Let Me go"と言えば、ビル・エヴァンスのソロもよく聞いた。今夜は、そっちまで手を伸ばしてみようか。

ウユニ湖2010/01/26 07:13

 旅に出たいネ。どこか知らないところに。そんなことを思う今日この頃。娘の行った南米なんかはごめんだが、「この光景にあえるのなら」と思ってしまう。ボリビアのウユニ湖である。ボリビアでよかったか?「ボリビア」と言う曲がシダー・ウォルトンであったけれど・・・。
 塩の湖で、これは氷ではない。陽水の「氷の世界」ももう一度聞いてみたくなった。来週、買ってこよう。出勤前の30分にブログを更新しているが、書きたいことが書けない。それは、人に見られるから。それじゃ、ブログにならない。そんなもんだよな、所詮、ここに書くことは・・・・。愚痴ばっかりじゃ、読むほうも嫌だよね。もっと前向きにならねば。さしたる不幸もないくせに、何故かそれを装う。陽水の歌みたいだ、いや拓郎か・・・。

White Lie2010/01/28 20:44

 日本には「真っ赤な嘘」というのがあるが、英語にあるのは、「真っ白な嘘」である。これは「人の気持ちを傷つけまいとしてつく」罪のない嘘のことである。どっちかといえば、こちらの嘘をつきたい。このブログに書かれていることは、「赤い嘘」か「白い嘘」かというと、きっと白いのだろう。前回から引き続いて、メタファー的ではあるが、ちょっと書いてみたい。
 何故、ブログを書くのか?自分の記録のため。人に見せるため。見た人を惑わせるため。人にメッセージを伝えるため。退屈しのぎ。文章の練習。まぁ、その時々で使い分けが出来る。私のサイトの日記は音楽のことを言いたくて始めたが、今では備忘録の役割を果たしている。こちらのブログには確固たる役割を課していない。単にブログも作れるのか・・・と始めたことだ。でも、少しはこちらに本音が出せるような気がしている。
 今日は、どんな役割で使おうか。一日の出来事でも書こうか。風邪の話はしすぎたし・・・。画像がなければつまらないだろうなと思うが、今から入れるものも思い浮かばない。
 そうだ、貸し金庫のこと。解約の手続きに行ったんだけれど、契約者が母親なので、私には出来なかった。ただ、私も開けられるように手続きしていたから、ほぼ空っぽの貸し金庫を整理してきた。何故、貸し金庫などが我が家にあったのか?その疑問はごもっとも。多少の隠し財産があったのか?いや、ありましたね、昔は。税務署を恐れるあまり、預金しないで現金を放り込んでいた母親。それを見つけたときは、こちらは小躍りした。あれは、10年くらい前だったろうか。それ以来、私の生活は楽になった。その話は、また今度することにしよう。
 今回は、そこに面白いものを見つけた話。1972年の札幌オリンピックの記念小判。三越製である。一体これにどれほどの価値があるのか?少し調べたい気持ちになっている。大体、元値はいくらなんだろうか。
 ネットで調べたら、オークションに出ていて、その説明が、
-三越謹製 純金小判です。サイズ約64*40 約44gです。金は時価で1gあたり3000円くらいなので132000円くらいの価値はあると思います-
 と、あった。まぁ10万円にはなるのかなぁ。飲み代にしよう。

Jazz West Coast2010/01/30 15:34

 40年以上ジャズに浸っているが、西海岸のジャズはどうも好きになれなかった。若いうちは、「ジャズは即興だ」という思いが強すぎて、譜面に書かれたアンサンブルの楽しさを味わうことが苦手だった。それがいつの頃からか、これもいい音楽だなぁと思うようになった。今、パシフィック・ジャズというレーベルのオムニバスをかけているが、これがどうしてどうして、格調高く、スイングする。ただ、アドリブのパターンがいつものウエストコースト訛りで、またか・・・と思ってしまうこともある。東海岸の黒人のビバップだって、ルーティンではあるから、こちらばかりを責めるわけにはいかない。何かをやりながら聞いてしまうのがウエストコーストの音楽だ。それは、あまりの取っ掛かりのなさか。心地よさか。
 チェット・ベイカー、ジェリー・マリガン、ショーティ・ロジャース、ラス・フリーマンなどが次から次に出てきて、腕の良いところ見せてくれている。今夜は、これが似合うかも。