Harvey Mason Trios 22009/12/05 20:10

  久々、ジャズライブを聞いてきた。場所は「ケニー・バレル」という店。ビル自体もケニー・バレルビルと言う。建築家が自社ビルにそんな名前をつけてしまった。その最上階(と言っても5階だが)に天井の高いホールを作った。Ken's Trioというバンドが出ていた。ベーシストの金子健が率いるトリオであった。1部の最後まで聞いたが、最後のほうは体が暖まって少しはエキサイティングであった。しかし、概して退屈な演奏だった。観客は40代、50代の女性が多かったが、礼儀正しく演奏家に向き合って固唾を呑んで聞いていた。こちらは、「ちょっと違うだろう」と思っているから、窮屈でリラックスできない。スタンダードのオンパレードは嫌いではないが、なんの工夫もなく、誰かの真似風であった。
 今夜はその印象から、いいピアノトリオが聞きたくなった。そこでこれ。小曽根真やジャッキー・テレソン、デーブ・グルーシン、エリック・リード、チック・コリア、ジョーイ・カルデラッツオなど一流プレイヤーばかりが並ぶ。悪いわけがない。ジャズはライブだなんていったのはどこのどいつだ?小曽根も凄いピアニストになったなぁと思う。引けを取らないどころか、一番光っているのではないか。1音1音の粒立ちが見事で、フレージングもこちらを惹きつける。こんなピアノは対峙して聞きたい。
 下手なライブを見たおかげで、またピアノトリオの良さを知った夜であった。 
 そういえば、旅行の二重請求の結末。アメリカのホテルも、片方は使われていないことを確認してくれて、めでたく10万円を返還してくれることになった。ホッとしていると同時に、「当然だ」と威張りたくなった。おろおろしていたくせに・・・・・。ないものと諦めて、もし戻ったら、少し派手に使ってやろうと思っていたが、「そんな無駄なことをしてはならない」とあっさり方針転換。貧乏人根性だろうか・・・・・。

Mal Waldron2009/12/08 22:31

 昨夜、50代の人間が集まって、日本酒の会を開いた。6升以上の酒を10人あまりで飲んだが、相当余った。さすがに、月曜から大酒を飲むのを憚った。その折、ジャズの話になって、1970年代にマル・ウォルドロンのライブを聞いたことがあると得意気に話す男がいて、その話題で盛り上がった。素人は「レフトアローン」のことに行ったが、ミラノで録音した「オールアローン」もいいと、少しはかじった男が言った。私にとっても懐かしの曲だった。なにせ、当時、「オールアローン」はレコード屋に売っていたが、「レフトアローン」はジャズ喫茶にしかなかった時代だ。
 今夜、思い出して、「オールアローン」の入った"One More Time"という2002年のアルバムを聞いてみた。当時と同じ何かが心というか頭というか、そんなところを押した。あれから40年経っている。未だ、ジャズから離れられない。

古本2009/12/14 21:28

 古本屋で平岡正明の1978年発行の『クロスオーバー音楽塾』を買った。平岡も今年亡くなったが、1941年1月生まれだったから68歳だった。長命とは言えないな。過激な評論と泥臭い浪花節が相まって、人気の作家であった。彼の著書20冊くらいは読んだ。『山口百恵は菩薩である』という本が好きだったが、友だちが持っていったまま30年が過ぎた。まぁ、それはそれでいい。彼のホラ話が多いから。それでも、どこか共感できる部分があった。
 この本は、ジャズ喫茶でのディスクジョッキーを収録したもの。音楽とそれにまつわる話を記録したもの。言いたいことを言ってるが、こちらもそのつもりで聞いているので、楽しい。パーカーの「エンブレイサブル・ユー」から始まるが、色々脱線する。今回は、懐かしいアレックス・ヘイリーの『ルーツ』をこき下ろしていた。今の人には、あの連続テレビドラマのことなど分からないだろうが、私たちはほとんど全部見たのだろう。そして、原作も読んだ。さらには、クインシー・ジョーンズのサントラまで買ってしまった。
 平岡の毒が強すぎて、何事にも知識がありすぎるような書き方は、くどいので少しずつ読むに限る。でも、少しずつだと飽きてきて、全部読まないうちに、ぽいと捨ててしまう。『ジャズより他に神はなし』など、探して探して、めぐり合って購入した割にはほとんど読んでいない。
 そういえば、トルーマン・カポーティの自伝的な本もどこに行ったか。今になって読みたくなった。探してみよう。

日本の宴会2009/12/17 05:02

 既に、今月に入って10回くらいの宴会をこなした。後、8回ほどある。少人数の仲間の宴会は楽しいが、付き合いで出る大勢の宴会は、料理も画一的で、ビールも注がれて注がれて大変である。どうして日本人は、お酌をしたがるのだろう。あれで敬意を表しているのだろうが、こちらは迷惑。しかも、宴会終了直前まで、注ぎまくるから最後の乾杯をし終えたときにもテーブルにはなみなみと注がれてグラスが全員の席に残っている。エコだとか何だとか言っているが、料理もたくさん残されており、その残骸は見たくない光景。それをもったいないとも思わないで2次会に繰り出す。こんな宴会ばかりを見ている。どうしたものかなぁ。どうしたら、この悪習から脱皮できるだろうか。
 まず、飲み放題というシステムをやめたほうがいい。全く有り難味のない方法だと思う。好きなものをきちんと頼んで、その料金を払うということが大切だ。店のほうも、飲み物の料金を飲み放題に近づけたものにすればいい。次は、自分の席から経つことをしばらくの間禁止したらお酌というものが少なくなるだろう。自分の席できちんと料理を食べて酒を飲んで、、終わってから動き出せばいい。最後は、残ったものを家に持っていくようなパックを店のほうで用意したらいい。食べ物が悪くなると店の信用に係わるとか言って、嫌がるホテルばかりだが、それは自己責任だから、きちんと個人個人の自覚を持てばいい。
 朝5時から、そんなことを考えているのは、宴会疲れのせいだろう。さぁ、ジャズでも聞こう。

Tiger Rag2009/12/23 10:54

1917 年のジャズを聞いている。理由は、宅配便が来るため、チャイムを聞き逃さないように小音量で音楽をかけなくてはいけないから。それで、Boseの小さなシステムに古い音楽を乗せて聞いているのだ。大型システムで、こんな録音の悪いものを聞くのはもったいないような気になるのは私だけだろうか。根がケチである。だから古い録音のCDは、買うだけ買って、さっぱり聞けない。飽きるということもあるのだけれど・・・。今も、解説を読むわけでもなく、垂れ流している。でも、ちょっと勉強すると、この中に「タイガーラグ」という曲があって、これはそれまでも演奏されていたが、1917年にヴォカリオンというレーベルで、オリジナルディキシーランド・ジャズバンドが初めて録音したものだという。作曲したのは、ニック・ラロッカとなっているが、ジェリー・ロール・モートンも自分が作ったと主張している。モートンの方が有名であるが、真実はどうなのか。25曲も入ったこのCDの半分くらい聞いた。
 朝風呂に入り、こうやってゆっくりジャズを聞いていると、天皇誕生日だけれど、もう半日が経とうとしている。